名高達男とCieloジュリエットの対談(前編-3)


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ジュ:これまで貴重な人生経験を重ねてきた名高さんから見て、現在の日本社会ってどのように見えますか?
名高:日本人が大切にしてきたはずの、人間同士の関係が希薄になっていると感じますね。親子の関係、先生と生徒の関係、ご近所づきあいなんかも殺伐としちゃってる。人と人がどうして接していいのか分からなくなっていると思います。とても小さい殻を守ろうと必死になってギスギスしている感じですよね。
ジュ:そうですねえ。
名高:政治とか経済とか問題はいっぱいありますけど、全てを凝縮したものがそんな部分にあるんじゃないかと思います。もっと思い切って外の世界に出ていくべきじゃないでしょうか。そしてもっとオープンになるべきですよ。こちらがオープンになると、相手もオープンになるんです。こちらが笑えば相手も笑ってくれる…人間ってそういう周波数を持っていますから。自然体で生きていくと、もっと楽しい人生を送れると思いますよ。
ジュ:一回だけの人生ですからね。

名高:自分はやりたいことをやらせてもらってきましたから、本当にありがたいと思ってます。僕は生涯現役でいたいんです。寝たきりの80歳と世界を飛び回っている80歳は全然違いますよ。年金もあてにしないで、自分で稼ぎたいと思ってますよ。それで健康で好きに生きたいって思うんです。
ジュ:名高さんは、目がキラキラした少年みたい。それに夢中になれるものがあるって幸せですよね。皆さんになんでもいいから夢中になるものを持って欲しいです。それが絶対に楽しいはずですから。元気のない人って最近多いんです。もう諦めちゃって落ち込んでる状態。こんな時代だから仕方ないとは思うんですけど、それでもチャレンジして欲しい。
名高:でも、落ち込んでいるときってチャンスなんですよね。落ち込んでいるときにしか見えないものもあるんですよ。経験できないような普通の状況じゃないんだから、この状況をどう打開するか考えるっていう楽しみもあると思いますよ。
ジュ:考えることを楽しみ始めれば更にチャンスですよね。
名高:考えに考えて、それでも答えが出ないってこともあるけど……。
ジュ:それなら寝た方がいい(笑)。

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